髪の99%はタンパク質からできている
髪の健康を維持する為には3つの生活習慣が大事です。そのうちの1つ「食」から説明していきます。
「食」は、髪の健康を左右する極めて重要な要素です。体と同じく髪も、「食べたものからつくられる」といっても過言ではありません。
髪は何からできているかというと、その構成成分の99%は「ケラチン」と呼ばれるタンパク質です。
タンパク質は、髪に限らず、爪や筋肉など体の部分をつくっている大切なもの。そのため、食事として体内に取り入れられても、栄養として真っ先に送られるのは内臓など生命維持にかかわる部分です。一方、そうではない髪や肌への供給は後まわしになります。
栄養が偏ったり、不足したりすると、てきめんに髪や肌に現れるのは、こうした理由によるものです。
ですので、髪の健康を維持するには、日ごろからタンパク質を不足なくとることが大切です。
タンパク質が豊富に含まれている食材といえば、「動物性タンパク質」と呼ばれる肉類や魚介類、卵、乳製品などと、「植物性タンパク質」の大豆製品などがあります。
どちらかに偏りすぎるのではなく、両方のタンパク質をバランスよくとっていくのがいいと思います。
亜鉛や銅で、タンパク質の吸収をサポート
タンパク質の吸収を高めてくれたり、吸収されたものを体に必要なエネルギーや物質に変えたりするのに欠かせないのがミネラルやビタミンといった栄養素です。
ミネラルは「無機質」ともいい、人の体でつくることができず、外から取り入れる必要があります。人間の体に必須のミネラルは16種類あり、その中でとくに、髪にとって重要とされるのが、亜鉛です。
亜鉛が不足すると、髪を生み出す毛母細胞の分裂が衰えてしまい、ひいては薄毛や抜け毛の原因となるからです。
亜鉛は、食べ物では、カキや牛肉などに多く含まれています。
必須ミネラルに分類される銅も、髪の黒さを維持するのに重要です。
髪の黒色をつくるのに重要な役割を果たしているのは、毛根の下部にあるメラノサイトと呼ばれる色素細胞。銅はその働きに関係している可能性があるといわれています。
銅を多く含む食材には、アーモンドやカシューナッツなどの木の実類や、大豆、そら豆といった豆類などがあります。
同じく鉄も、前途の、髪の黒色をつくるのに重要な役割を果たすメラノサイトの働きに関係している可能性があるといわれています。また、急激な白髪の原因ともなる貧血の予防にも鉄は不可欠です。
鉄を多く含む食材には、ひじき、岩のり、大豆などがあります。
ビタミンB群も髪にとって重要な栄養素
一方、ビタミンには、タンパク質や糖質(炭水化物)、脂質などの栄養素がしっかり働くのをサポートする役割があります。
その中で、大切なのがビタミン群です。
ビタミンB1やB6は糖質やタンパク質の代謝(体に必要なエネルギーや物質に変えていくこと)を促してくれます。ビタミンB2は、髪の発育を手助けしてくれます。
ビタミンB12は血液中のヘモグロビン生成を促す働きがあり、抜け毛や薄毛の原因となる鉄欠乏性貧血を予防してくれます。
ビタミンAやCは髪や肌はもちろんのこと、抗酸化力、免疫力を高める上で大変重要な栄養素です。
これらのビタミンを含む食材については、下記にまとめます。
【髪の健康にオススメの栄養素】
<タンパク質>
たんぱく質
・脂身の少ない肉 ・青魚 ・卵 ・乳製品 ・大豆製品
<ミネラル>
亜鉛
・カキ ・牛肉
鉄
・ひじき、岩のり ・大豆、いんげん豆
銅
・イカ 、タコ ・アーモンド、カシューナッツ ・大豆、そら豆
<ビタミンB群>
ビタミンB1
・豚肉 ・うなぎ、コイ ・大豆、えんどう豆
ビタミンB2
・うなぎ ・牛乳、乳製品 ・大豆製品
ビタミンB6
・サンマ、カツオ、マグロなどの魚類
ビタミンB12
・シジミ ・カキ ・サンマ
<その他ビタミン類>
ビタミンA
・アンコウやウナギなどの肝 ・緑黄色野菜
ビタミンC
・ポーマン ・ブロッコリー ・かんきつ類 ・柿
ビタミンE
・アーモンド ・アンコウ肝 ・西洋かぼちゃ ・植物油
髪の為に「食」を意識してみてください。